12月11日、3年振りにカルッツかわさきホールにて、有観客でのコンサートを無事終え、仲間同士、親子、家族の皆なで作り上げた「ボレロ」の残響を胸に帰路につかれたことと思います。
皆さん、その後お元気にお過ごしですか?
コロナ禍のため無観客、録画そしてYouTube配信の2年間の「ボレロ」の後の今年、参加者は果たしているだろうか?と言う心配は、懐かしい顔触れを見た時に消えてしまいました。
「先生!今回はスネアドラムにします〜。」といつもは木琴のお母さん、
「先生!この子3年前は私のお腹にいた子です!〜。」と3人のお子さんと一緒に参加のお母さん、他にも3人のお子さんとお母さんがフルートを吹き、下のお子さんは石で参加の親子4人連れ、
と驚きと嬉しさで始まった練習でした。歌の方も弦楽器の方も皆なマスク着用です。内容もパート練習が主で極力密になることを避けての練習が5回続き、回を重ねるごとに本番への期待が高まっていきました。そしてコーラスもさることながら管楽器で参加の懐かしい方達も集まり、酒井先生の熱いご指導が続きました。
そして、12月11日愈々本番の日を向かえました。
式典には加藤純一川崎市副市長さんの祝辞や山形から7人の玉庭小学生達の紹介があって本番へと期待が高まって行きました。
観客席は通路後部に密集を避けてほぼ埋まっています。
プログラムオープニングはトーンチャイムで「星めぐりの歌」、そして子供たちが大好きな「パプリカ」と混声合唱「The rose」の演奏が始まり、元気一杯の、そして優しく暖かなコーラスが会場中に響き渡りました。そして次は3年振りにカンテとギターの生伴奏によるスペイン舞踊が舞台に彩りを添えて踊られ、プログラムは吹奏楽へと移っていきました。
曲はテレビでも人気のディズニーの「美女と野獣」。酒井先生の熱いご指導の下、物語を彷彿とさせる様な懐かしさと重厚な響きが会場を満たしているのを肌で感じました。
さて、そして最後のプログラム「ボレロ」へと向かって行き、舞台上には管楽器とコーラスがスタンバイ、舞台下の私の立つ指揮台の周りには弦楽器、木琴、リコーダー、鍵盤ハーモニカ、そして石の子供たちがあつまっています。
みんなの気持ちが私の一振りに集まって、微かにスネアドラムの刻む音が聞こえて来ました。一人一人の思いを丁寧に音に託してリズムを刻み、メロディーを重ね、そして子供も大人も音楽を共有する空間の中で想いを一つに最後まで力を尽くされたことに限りない感謝を贈りたいと思います。ホール中に歓喜の音が響き渡り、後には誇らしげな皆なの笑顔が有りました。
皆さん!ありがとう!そしておつかれさま!
また2023年「ボレロ」でお会いしましょう!
2022.12月末日 (音楽監督・指揮)安部順子